数まで覚えてなーい。
色んなの使えるようには仕込まれた。
[バンっと相手の右脇腹を打った得物は即座に己が左側へと戻り。左の得物はカシャ、と言う音と共に閉じられる]
へぇ、まだ喋れるんだ。
まぁまぁ丈夫ではあるんだね。
尤も、身軽さで勝つ気はないけどさ!
[ナイフと鉄扇二つではこちらの方が遥かに重い。それで速さで勝ろうとは思わない。だから続く相手の動きに反応しきれなくても、慌てず別の手段を取った。
肉を切らせて骨を断つ。その言葉通りに、右側の防御を敢えて外し、身体を僅かに逸らせて致命傷だけを避けた。再び右側の服が裂け、今度は大きな裂け目を作る。奥の肌にも朱の長い線が走った。胸近くまで裂けた服の切れ目から、時折垣間見えることだろう。
その傷を代償とするように、相手の切り上げと同時に左腕が動く。同じように、相手の右下から脇腹目掛け叩き上げるのだった]