[飴色を弾く時は集中するから人の気配にも疎くなる。半眼を閉じ、音だけに意識を寄せて、記憶の旋律を辿っていった]……ん?[曲の切れ目で、枝から落ちた雪がぱさりと音を立てる。瞼を上げればそこには人影が一つ。>>1161弓を弦から僅かに上げて動きを止めた。無言のまま、深緑を投げかける]