―どこか建物内―
………ん…?ここは…
[目をゆっくりと開ければどこかで見たことあるようで、思い出せない場所にいた。
どこか現実離れしたようなふわふわとしたそれでいて熱っぽい心地のまま、無意識に己の唇へと触れて]
いっつ
[急速に現実に引き戻したのは、腹部の痛み。起き上がろうとしたところで止める村の医者の姿をみて、ここが村医者の家だと判る]
ぁあ…そうか。
[戻ってきてしまったのか。と思う。どうやら聞くところによると一週間ぐらいは寝てたらしく。今は素直に傷口の包帯を変えるということでベッドに横になる]
夢…だったのかな?
[残影を探すように手を軽く握ったり閉じたりする。そしてもう一度唇へと触れてみてから、横を…もしもいるのならばここにいるであろうと思う場所を見ても、その椅子の上には誰もおらず、夢か現かさえわからない。
そう思っていたところに猫の声がした。ユエだ]