[それから更に数日後。荒れた海が元通りの静けさを取り戻し、また船が出せるようになった頃。男は島から姿を消した。教会には程無く要請を受けたという新しい神父が訪れ、その穴を埋めた。最初のうちこそ真面目に教えを説く彼に、逆に戸惑いを見せる者もいたか。けれど教会の子供たちは然程掛からずに彼への警戒を解き、それと共に周囲の違和感も薄れ、やがてはそれも日常の一部として溶け込んで行った]