>>1181
[意味深な言葉と共に外された手の下に笑みはなく、目をぱちくりと瞬く。指差す手を取られ、緩んだ指を伸ばされても理解追いつかんとされるがまま。
やから、手の甲に微かに掠めた唇がもたらした熱と痛みに似た何かも振り払えんと、見上げてくる碧の奥に射竦められた様に目を見開いたまま固まってた。
解かれた手が、ぱたん。小さな音を立てて体の横に落ちる。
離された距離の間を生温い夕方の風が吹きぬけた]
――…! ……っ!!!
[盛大に文句言ってやる為に吸い込んだ空気は、胸の内を空回りして声にならず。口をぱくぱくさせながら、ひらり振られた手を睨み付けるコトしか出来ず見送って]
……ぁンのボケー!
宿題なんか学校のんだけでオーバーワークやー!
[またなんかあってたまるかー!と虚しく叫ぶんは姿が消えてから。
そんでも風は言の葉を木の元へ運んでしまうんかも知れへんけど。
掌で包むよに抑えた手の甲が疼くのは、木剋土のせいやとか言い聞かせながら、小さな足は軽快に地面を蹴って最初の目的地――タマキちゃんの家へと駆け出す]