―茶会の終わり―
[アナスタシアが用意した菓子(ただしほとんどがキリルの作)をメインに再び茶会が始まります。
消耗した分を取り戻すようにたくさん食べる者、味わってのんびり再会を喜ぶ者、もう菓子はたくさんとばかりに遠慮する者など、それぞれに楽しみ過ごしたことでしょう。
しかし楽しい時間にも限りがあります。
アナスタシアがそろそろお仕舞いにしようと言い出し、その片づけを申し出る者達が出始めた時、魔人はそれまで一応浮かべていた営業用スマイルをふっと掻き消しました。
それはまるで蝋燭の炎が尽きたかのようでした。]
――これで3つ目の願いは叶えた
さらばだ、アナスタシア
[淡く光る金色のティーポットを片手に魔人は口の端を歪めます。
片付けの食器が触れ合う音の中、そのやり取りに気づいた者はいたでしょうか。]