……こちらこそ。あんたには感謝している……エーリッヒ=マイヤー。いつか、また。空のどこかで──。[正面から見つめる翠。見つめ返しつつ、静かに告げて。ふわり。翻る黒。猫の鳴き声が静寂を打ち破る。暗き翠は振り返らず。夜闇と白雪の狭間。溶けるように、揺らめいて。少年と少女の呼ぶ声は、他者にも届くや否や。それに一つ、頷いて──]