─回想─
[フーゴーの指示に従ってルーミィを宿屋まで運んだ後、ゲルダの遺体を引き取って直ぐに宿を後にした。
亡くなった者達の弔いも後始末も、全てフーゴーに任せ切ってしまったのは申し訳ないとも思ったが…彼女の眠る場所を早く準備してやりたかった。
海辺にある自分の家。
そのすぐ傍のひらけた場所、少し小高い丘になっている其処に、今、彼女は眠っている。
潮風が優しく撫でていくその場所は。
彼がどうしても、と希望した場所だった。]
…あの時、俺が。
傍にいれば、変わっていたかも、しれない。
守れなかったかも、しれないが。
一人で逝かせることは、無かっただろう。
……すまない。