─海辺の空き地─[震える声が返るのを息詰めたままに聞く。最後まであった壁、不幸に見えた女の姿が薄れ消えてゆく。そして残るのは。ずっと抱え続けてきた焔]そうか。ごめんな。ずっとお前のこと、見ない振りをしてきて。[回した腕に力を篭める。もう離さないというように]…後悔はさせない。俺は俺だ。俺なりの方法で幸せにしてみせる。――愛してるよ。[僅かな距離も全て埋めて。零れる言葉ごと掬うよに、唇を塞いだ]