そいつは、最高の褒め言葉だな!
[無茶をするのはヒトであった頃も、その境界を越えた今でも変わらない。
故に、その評価に返すのは、笑むような声での一言。
揚力で強引に持ち上げた上体は、脆い均衡の上にある。
それ故にか、『疾風』の速さは僅かに損なわれて]
……っ!
[両の前脚が落ちるに先んじ、振り上げられた爪>>1187が銀を深く、裂く。
零れる紅、それは、ヒトであった頃となんら変わらぬいろ。
態勢の崩れを感じた瞬間、ばさり、四翼が大気を打った。
巻き起こる風、それに乗るように銀はその場から飛び退き、離れた場所、四肢を下ろした]