[とある朝方のこと。
窓から差し込む眩しい光で娘は目覚めた。何時もならどちらか起きるまで待っててくれたのに、と不思議に想い。]
…ベッティ?
今日は早いみたいだけど
[もそりと起き出し夜着の儘でベッティの部屋を出て、
食堂で支度をしていた幼馴染に声を掛けた。
名を呼び振り向く彼女は何時もの笑みを浮かべ、調子もあの頃の時に戻っていたようで。導かれたと伝えるベッティに娘は、きょとんと瞬いていた。不意に差し出された手には、アーベルのダイスが光を受けて煌めいていて。]
――――…よかったよ
そんな風に笑うベッティが見れて僕は嬉しいよ
[仮令夢でも、現実でも、彼女が立ち上がれたのならば。娘も笑み返し、朝食の支度をするのに手伝うよと申し出る。そうして人は刻を重ね悲しみを乗り越えて行くのだろう*]