─いつか、先にて─[アングルを決めて、覗き込んだファインダーの先。揺れているのは、薄紅の枝。あれから、幾度季節が廻ったか。自分は変わったような、変わらないような。相変わらず家の状態は不安定で、自分が矢面に立つに変わりはないけれど。弟妹が、自分を支えようと頑張ってくれるから、少しだけ楽になって。けれど、家族以外にも放っておけないのが増えて、何だかんだとくっついてくるから。結局、誰かの世話を焼く、という日々には、変わりがなくて。でも]