─海辺の空き地─[告げられる言葉と、強くなる力と。どちらも、絶対に望めない、と。望んではならないもの、と決めていて。触れられる感触に、僅か、身体が震えるものの。触れた部分を介して伝わる熱は、それを鎮めても行くようで。張り詰めていたもの──緊張や、長く築いていた壁が、全て、崩れるような。そんな感覚に、力が、ふわ、と抜けた][そんな様子に、ぶち猫が。音もなく茂みに飛び込んで行くのには、気づく様子もなく]