[振り下ろされる銀翼の獣の爪より先に、漆黒の獣の爪が空を滑った。
それは違わず銀翼の獣の上体へと届き、銀の上に赤を散らせる。
漆黒の爪にも赤が伝い、黒の毛も僅かばかり赤に染まった]
………ふぅ、ボクの勝ち、かな?
[更に身を捻って地面へと降り立つと、離れた場所に四肢を下ろす銀翼の獣>>1202を見遣る。
そうしながら、右前足についた赤をぺろりと舌で舐め取った。
毛についたモノを舐め取って綺麗にしようとするのは動物の性か、それとも]
ああ、安心してよ。
ボクはアレみたいに飛びついたりはしないから。
[相手が警戒するかと考え、先んじて言葉を発しておく。
内に蠢くものが喚いていたが、当然無視した]