―いつかどこか―
[それからしばらくの時が経ちました。
身を隠して放浪する魔人が自分からかつての茶会関係へ連絡を取る事はありません。
ただ、少しばかり個人的に知り合ってしまったがゆえに、風の噂として話を流すシルフィードがいたでしょうか。
恩を返したいと言っていたセイレーンにも会いに行く事はありませんでした。
ただ記憶の片隅に置いたまま、人間界や他の界の宝物庫を渡り歩き、持ち主を破滅させてはしばしの平穏を隠れ眠ります。
――そんな、ある日のことです。]
・・・・・・・・・
オイ、何でこーなった?
[ティーポット内で寝ていたはずの魔人は、蓋を開けられるなり見えた海色の双眸に呆れ混じりの声を上げました。
もしかしたら問われた方にも事情がわかっていなかったでしょう。
恋多き人外の年月を経たネットワークは恐ろしい、とある意味茶飲み話が盛り上がったかどうかは、さてさて。**]