―未来の話―
[いきなり差し出されたポットに、あれ、見覚えがあるようなと。
そんな風に思ったりはした。
しかし、差し出されたものは受け取らざるを得ない。
大切に受け取り。それから、陸のそばで、ふたをあけた。
…無言]
……わたしにも、わかりません。
[海の近くだから、水にふれているから。
ようやく、聲をきかせられたと、言いながら少し微笑を浮かべて]
……それでも、あなたに逢えて嬉しい、グレゴリー。
お元気そうで、良かった。
[それでも彼は水が嫌いだろうからと、外に離れようと、水から上がろうとはする。
彼女たちの事を話すときには、少し困ったように笑ったけれど。
文句は、こちらは一言も出さないのだった**]