―自宅―「一体、何を…」[大叔母が誰かと話している。聞いたことのある声。それでも自室でただ窓の外を見ていた。白銀の世界を]「…イレーネ。これを教会へ届けて貰えるかしら。 ああ、無理そうならいいのよ」[暫く経って、部屋の扉が叩かれた。僅か表情の硬い大叔母の声に、一つ頷き、首を振った。渡された小さな箱は丁度ランプの大きさ]……。[上着を羽織り、白くて小さな手袋をつけた。外に出る前に、大叔母に小さく頷いて。言葉は、何も出なかった]