―風呂場にて―[硝子の向こう、鏡に映る姿には触れられそうで触れる事はできない。首を振る姿に、返す言葉を一度失い]逃げる…?どこに?俺の居場所なんて、どこにもないんだよ、エーファ…[町を、どこに行ってもエーファとしての居場所はあっても、フォルカーの居場所は見つからなかった。ただ一つ、アーベルにだけはあの事件以来まだ会っていなかったが]死んだはずのエーファには居場所が残って、居場所のない俺には命が残った。[ぽつぽつと語る言葉は、どのような感情を込めていいかわからずに震えたものに]