[───さて。
結局のところ、少女が願ったものは掴めたのだろうか?
それに答えるにはまず、散々出てきた人魚姫の例を出してみようか。
彼女は、声と引き換えにして人間となり、彼女の王子である人間のそばに入れるようになった。
例え、最後に泡となり消えたのだとしても、その寸前まで同じ姿に慣れていたということは、ことそう簡単に悪い結末だったと語れるものではない。
それならば、少女も最後まで人間となり、最後までそばにいることが出来たということもまた、悪い結末ではないということではないだろうか。
だから、もし───この物語を知っている人がいたとしても、そう悲観はしないで欲しい。
それこそが、少女にとっての一番の願いなのだろうから]