[向けられる背にその名を呼び手を伸ばしかけ、
声をかけられ言葉はつむがれることはなく手はわずかに動くだけに]
嫉妬することなんてなにもないさ。
俺の分もゲルダを守ってくれるんだからな。
[空を見上げて]
さっさとあがれるなら、あがりたいものだが…、まだあがるには積み重ねてきたものが重過ぎるらしい。
だから、俺はしばらくはあがれそうにはない。
人として生まれて人として生きることができなかったんだ、しかたがないといえばそれまでだけどな。
死ぬときくらいは、俺は人としていられたのかな…?
[その後、小言めいたことや他の幼馴染の名前が出た気がした、
生返事で返し向ける背を見送る。
最後の言葉が心に残される]
知っていたよ…、俺も…ナタリーのこと好きだったからな……。
[何処かへと消えたナターリエに返す言葉]