─宿屋外・出入口傍─
[いつもの一服。出入口傍の石に腰掛けパイプをふかす。今後のこともあり、店のことの大半はリッキーに任せるようになっていた]
……お、ツィン。
なんだ、おめぇだけか。
[飼い主はどうしたよ、と声をかけながらぶち猫を拾い上げ膝に乗せる。パイプを持たない手で、こしょこしょと喉を掻いてやった]
そういやアーベルはどうなったんだかな。
いつんなったら吹っ切れるやら。
[ぶち猫の飼い主の話題から発展し、そんなことを呟く。たった今その懸念が払拭されていると言うことをフーゴーは知らない。膝の上でぶち猫が知った顔で、にぃあ、と鳴いた。しばらくの間ゆったりと膝の上で伸びて居たぶち猫だったが、不意に膝から地面へと降りる]
ん、なんだ。散歩の続きか?
変なとこ紛れ込まんようにな。
[ぶち猫の頭を一撫ですると、尻尾を揺らし悠々と立ち去って行く。フーゴーは瞳を細め、その様子を眺め見た]