─墓標前─あはは……そういや、そうだっけ。[結局最後まで理由は言わず、物別れになった事。それは、外の暮らしの中でも小さな棘となっていた]まあ、お互い仕事もあったしね。ん、わかってる。……縛られるものがなくなった事だし……ちゃんと、話すよ。[冗談めかした言葉に、微かに笑んで。これは、言うまいと決めていた事まで話す事になるかな、などとふと思いつつ。伸ばされた手に気づくと、昔と変わらぬ仕種で握り、ゆっくりと*歩き出した*]