ぁ…ヴァルター。─…皆を呼んでくれる?
話さなければならないことがあるの。
[手紙を読む様子を黙ってみていた執事から、内容について問われ曖昧に頷いた。
家から連れてきた使用人を全員集め、皆街に返すことになったので出来る限り早急に荷を纏めるようにと通達をして。
それぞれが荷を纏めようと自室へ戻っていく中、執事だけがこちらの荷を纏めようと動いたのでそれを止めた。]
…ヴァルター。私は良いのよ。
私は、此処に残るの。
帰るのは、貴方達だけ。
[そう告げると、何故、と問われ。
手紙を見せれば、彼の手が微かに震えるのが見て解った。]
これで、解ったでしょう?
私はもうドルージュ家から縁を切られたの。
だから、貴方達はお父様達のところに帰らないと…