[そう言いかけて、執事から。
貴女が生まれた時から私の主人は貴女ですと、その言葉に執事の顔を見れば、穏やかな笑顔。
お嬢様、ではなく。ブリジット様と呼ばれれば目を瞠った。]
ヴァル、ター。
でも、貴方は…レジーナやオットーが、居るじゃない。
二人と別れて、貴方はこの村に残るなんて…
家族が離れてはいけないわ。
[そういうと、彼は一旦席を外し、自分の妻や子を連れて戻ってきて。
彼女達からも、残るという旨を告げられればそれ以上言うことは出来なかった。
だって、口では何を言ったとしても、彼らが側に居て欲しいのは自分の方だから。
そして、結局。
家からついてきてくれた使用人達は屋敷を離れたものの。
執事とその家族だけはこの屋敷に残ることとなった。]