[ぽとりと落ちる朱。右手で触れ、状態を確認する。濡れる感触に僅かに眉根が寄った]
…そう言う奴なんだ、あれは。
[それ以上に説明しようがないと言うように、言葉を発す。右手についた朱はピッと外へ弾き、再び相手へと相対した]
なるほど、それは己が身体では無いのか。
そちらが全力では無くこちらが死力を尽くすことになっているのは癪だが…まぁ良い。
[とは言え手のうち全てを見せたわけではなく。軽口であることが伝わるだろうか。
再び走る衝撃波に身構え、同時に駆けて来る相手を見据える。一つ一つ対処するのは面倒だと、両腕を黒翼化させ宙へと舞った]
次で決めさせてもらう。
我が奥義の一、食らうが良い。
[宙でくるりと回転し、相手より少し離れた背後へと降り立つ。黒翼の影でふぁさりと金色が現れた]