[砂埃を巻き上げながら地を掻いた足が止まる。案の定上空へ逃れられたのに小さく「ちぇ」などと零し]この身体に居る限り、俺の全力はこれだよ。使えない力なんて数にならないもの。[べ。と軽く舌を出す。相手へというよりは、使えない自身へ]え、やだ。使わせたくなーい。…けど、そういうわけにもいかないよね。[どうせ避けられちゃうんだろうし。呟きと同時に両の手を薙ぐ。右は縦に左は横に。波は十字を成して走った]