「父さん、お茶でも一緒にどう?」
[息子の声が響く。既に孫まで生まれた息子は、60を過ぎていた]
ああ、行こう。
「書類、この前届いていたよ。施設からの報告書。持ってくるの遅くなって、ごめん。死亡報告書と、後……これ」
[欠片が一つ。古びた石]
今頃か。遅いな。だがこれで、私も二人の元にいけるさ。
[漏らす苦笑。悔しさを滲ませて。メデューサ病の特効薬が作られてから、施設の方へと問い合わせ、幾度もはぐらかされながら、ようやく届いた報告書。それは、装置のエラーにより死亡したとの知らせだった]
眠ってる間になくなったのなら、良かったのかもしれないな。
「父さん……」
[息子から見たら、さらに老け込んだように見えただろう]