行商人 ユリアン

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[キッチリと服を着込んだ相手には隙がない。酔って動けなくなる程の量は飲んでないはずなのに頭がクラクラする]

んな飲み方はしないって、言った。

[歪んだ笑みを、視線で刺し殺せれば、というほどに睨む。
気を抜けば呆となる意識を集中させて見えない隙を捜す]

は。狂人だけじゃなくて、人狼自体が狂ってるものなのか。
俺は男相手に悦ぶ趣味なんざね……っ。

[嘲り哂うように返す語尾が跳ねた。
首を伝うぬらりとした熱に、心臓近くを辿る指に、息を飲む。
湖水を瞼の裏にぎゅっと隠した]