[指先で、玉を弾く。 言霊に力を傾けている今、斬り合いに加わるのは得策ではない。] 雨は纏わりて、 地に在るものを包みゆく。<頬に当たり、刃が弾く滴は、真実と相違無い。 細かく降るは視界を奪い、地を濡らして動きを阻害する>[にも関わらず、軽やかな彼女の動きを奇妙と思えるか。 もっとも、其処にまで意識を向ける余力があればの話だが。]