[相対する者の意識が、他にまで向くはずはない。 ましてや、一撃を食らっては。 身を隠すようにして回り、背に結ばれたリボンを捉えた。 左手を鞘に、右手を柄に、駆ける。]<抜刀の音は雨に紛れようとも、 草を分ける足音の代わり、 水を跳ねる音は聞こえたか否か>[鞘から抜き放つ勢いそのままに、 斜め下から上へと、ユーディットの背目掛け、切りつける。]