[>>1304 繰り出した一撃が伝える衝撃と、その結末に、は、と息を吐く。
怒りや恨みが、まったくない、とはいえなかった。
けれど、伝承の理不尽さも知っていたから。
友にも彼なりの苦悩があるのも、感じていたから。
だから、一発だけ、殴りたい、と。
それは、全てを知ってから、夜闇の猫の中でずっと思っていた事で]
……完全に、断てるものじゃない、とは、思う、けど。
いつまでも引き摺られると、こっちだって、きついんだから。
……大体、死んでまで、それに縛られてても、さ。
なんにもならないんだし。
だから……。
[ここで一度、言葉を切って。ほんの少し、表情を和らげる]