[口の中に何かの臭いが広がる。
けれどそれはもう、あの感覚を呼び起こしたりはせず。
息を吐く音が聞こえた]
……うん。
[白の中に埋もれたまま、エーリの言葉にそっと頷く。
切れた言葉にその顔へと深緑を向けると、そこには和らぎの戻った表情があって。>>1315]
エーリも優しすぎるね。
でも。
ありがとう。
[眉尻を少し下げた顔で小さく微笑む]
その時も粛々として受けるよ。
もうそれしか、出来ないからさ。
[胸の上に抱えていた飴色と弓を左に握り直して。
差し出された右掌に自らの手を重ね、握り返した。>>1317]