>>1327[現れた姿と声に青年は口元の笑みを深め――かけて、零れた涙にかき消える。その温かな雫を拭おうと、広口の袖から半ば覗く指先を頬に伸ばした]すみません、心配させてしまったのですね。私は…大丈夫です。貴女は?[夢の中では現実の姿と同じでは無いけれど、怪我が無いか確かめるように視線を這わす。長い黒髪は闇に溶けて今にも消えてしまいそうに儚く見えた]