人狼物語 ─幻夢─

62 空から降る星・魔獣の欠片


宮廷占星術師長 ライヒアルト

……わかってる、さ。
けど。
因果律の不自然な『歪み』を正すのは、俺の『仕事』だ。
こればっかりは、他の誰かに任すわけには、いかない。

[ぽつり、呟いて、温かいワインを一口、啜る。
温かさが、じんわりと染みとおるよな気がした。
そしてこの返事に、アーデルハイドの眉が僅か、下がる]

「……まあねぇ。
 因果律の不自然な『歪み』から生じる魔を払って封印する、なんて。
 ちょっとやそっとでできるものじゃないのは、わかるけど……。

 どうして、そう、一人でやろうとするのかしらね、アンタは。
 クラウスだって、そんなやり方はしてなかったし、教えてもいなかったんじゃないの?」

……そう、だけど……。

[養父の名前に、僅かに天鵞絨が陰る。白もふが、みゅん、と案ずるように鳴いた]

(1330) 2010/12/27(Mon) 21:37:37

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