>>1330[溢れた涙はすべて優しくすくわれて、それがまた涙を生む。落ち着くまでは少しの時間を要した。][続く言葉に、双眸に、彼の態度に、手を伸ばす。]いいえ、……わたしは、良いのです。アーベル殿がご無事でよかった。[告げる言葉に嘘偽りはない。伸ばした手は少しためらうようにして、そっと彼の背へと回る。]わたしも、あなたの願いをかなえるお手伝いを、最後まで出来ませんでした。だから、謝らないで下さい。私の方が……アーベル殿に謝りたいのです。