―いつかの話―
[特別試験があった年からどれほど時が流れただろう。
雷撃学科に転化したり、いろんなことを学びながら学院に居続けて、試験のときに懐かれたベアとリーチェの勉強を見てたりするうちに何時の間にやら導師としてそのまま学院に勤めることになった。
なんだかんだとローザにからかわれていたり、ベアトリーチェとほのぼのとお茶したり、王都の武器屋に行ってはイグナーツにベアトリーチェに関する愚痴を言われたり牽制されたりとまあ、忙しいような忙しくないような日々を過ごす。
そうこうするうちに時は過ぎて、ベアトリーチェの外見も娘らしく育っていることにイグナーツがさらにうるさくなってきていた]
だー、もう、過保護すぎるだろう!
「いいや、可愛い娘に悪い虫がつくのを阻止してるだけだ!」
[こんなおっさんだったっけ、と武器屋の主人を呆れたように眺める。
綺麗な娘に成長したベアトリーチェは学院に来るたびに人気を集めるけれど、人が苦手なところはすこしは改善されても相変わらず、といえる程度で。
対人での盾にされることの多いユリアンは妬みなどもそれなりに受けているのだった]