[何時からベアトリーチェを意識しだしたのか定かではないけれど。
気づいたときには何かと懐いてくるベアトリーチェをかわいがっていて、成長するにしたがってそれが特別なものになっていったのは、きっと自然なことだった。
ベアトリーチェのほうにそんな素振りが見えなくて、いまのままでもいいかとのんびり構えているユリアンをときどき応援しているのか邪魔してるのかわからない武器屋のイグナーツがもどかしそうに見ていることもあったかもしれない。
そんな時期に、とある遺跡の噂を聞いて。
精霊が多く見える遺跡だという話に興味を引かれて、今までとっていなかった休暇を使って、遺跡に向かうことにした]
ちょっと気になるから行ってくるよ。
まあ、遺跡だからみやげとかはないけど、面白い話があったらあとで教えるし、な。
[ぽふ、とベアトリーチェの頭を撫でて、休暇を取得したユリアンは、イグナーツの店で買った剣をもって遺跡に向かったのだった]