止まったね。
[呆然としているような表情に、つい笑みは深くなる。
止まった涙に、ほっと吐息を一つ落として]
どうしたんだ、エル?
[名前を呼ぶのに、少し笑い声で答える。
前と違う目のいろでも、そらすことはない。
ただ、少しだけ目を細める]
もういっかい、
[してあげる、だか。それとも、したい、だったか。
口にすることはなく、ぼうっとしているうちに、と顔を寄せる。
触れ合わせる口唇は、今度は触れるだけではない。
薄く開いて、そっと一度食むようにして。
離れる間際に舌で、彼の唇を、一度舐めた。
距離は先に取ったのとほとんどかわらない。ただ、目を合わせながら、小さく名を呼んだ]