司祭様…まずは、こちらを。
これは、蒼花だった方が皆の為にと私に託されたものです。
私よりも、司祭様の方がきっと皆の為に役立てて下さると思って。
ですからどうか、お受け取り下さい。
それと、もう一つのお願いは…
[言いかけて、逡巡した。
これは、神に仕える方に願って良い事かどうか、解らない。
けれどこの方なら、きっとと信じて、口を開く。]
皆を弔って頂きたいのです。
ただ巻き込まれただけの方や、力があった方だけでなく。
人狼であった方も、皆、隔たり無く。
[願いを口にして、真っ直ぐな瞳で彼を見た。
この人は、ライヒアルトが人狼だったことを、クレメンスやナターリエが力ある者だったことを元から知っていたのだろうか。
それは解らないが、恐らく彼らの骸と共にライヒアルトのことは知っているだろうと、そう思っていた。
暫く沈黙が続き、不意に。何故それを頼むのかと問われ瞳が翳った。]