>>1331
[幾度も零れ落ちる涙に、やはり可愛いではなくきれいかなと思いながら、落ち着くまで指で彼女に触れていた。
申し訳なさに瞼を伏せたのは、その手を静かに離した後。
オティーリエの目を見られずに呟いた青年の視界に白い手が映る]
……っ
[いいと言われて、無事を喜ばれて、心が震えた。そっと背に回る手の感触を追い、夢の――仮初めの温もりに甘い息を吐く。
言葉がすぐには出てこなくて、空を迷った手は彼女の背と頬を包むように触れた]
………お互いに謝ってばかりですね。
[ようやく唇から零れた言葉は、とても優しい響きを宿していた]