人狼物語 ─幻夢─

64 滄に揺らめく銀鏡


小説家 ブリジット

─解放から数日後─

[教会を後にしたものの、まっすぐ屋敷には帰らなかった。

向かった先は、薬師の家…ゼルの母のいる、そこだった。
ゼルの死を受け入れることが辛くて、エステルにも会いにいけなくて。

解放されてから、此処に来たのもまた、初めてだった。]

……っぁ…、…

[家の前で、名を呼ぼうとしたが声が出せなくて。
微かに震えたまま動けずにいたら、足元にすりと擦り寄る温もりを感じた。]

…ミーレ、ちゃん…

[その名を呟くと、しゃがみこんで、白猫を抱き上げた。
その温かさが、勇気づけてくれたように震えが収まって。

扉を叩き、彼の母の元に向かった。]

(1344) 2011/01/19(Wed) 03:32:59

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