─ 墓地─
――――…
[静寂が破られたのは少年が娘の名を呼んだから。
長い間その場で蹲っていた所為か、脚に痺れを感じていた。
痛みの抜けきらぬ脚への負担に僅か柳眉を顰める。]
…ミハエル君、かい?
よく僕の居場所が解ったね
[はたと、来訪者の少年へ視線を向ける。
呼ばれるまで気付かなかった為か常と違う風貌は驚愕の物となる。]
ここにはね…僕の双子の弟が眠ってるんだ
[エドガー=ファネールと刻まれた墓石。
生きた年数を数えれば幼くして早世したと知れ様か。]
…漸く、此処に来ようかなと思う事が出来たのだよ