[周りを見る余裕もなくて一体何をしているのかも解らないまま魔力を注ぎ続けて。
どれだけ時間が経ったのだろう、実際はそう長い時間ではないのだろうけれどなんだかすっごく長く感じた時間を経て。]
ふぇ?
は、ハーさん!?
……なんなん、だろ。一体。
[不意に、一言呟いたと思ったらいきなり倒れたハインリヒに驚いて声をかけたものの、意識はあったかどうか。
こちらもほとんどの魔力を使った為にその場にへたりとしゃがみこんだ後。
繋がれた手を離す切っ掛けを掴めないまま、耳まで赤くなった顔を俯かせて溜息をついた。**]