>>1357
[揺れる心を感じながら答えを待つ。頷くのが見えて、青年は静かに息を吐いて顔を上げた。彼女の口唇が小さく動くのを見守って、微かに笑う]
――…ありがとう。
だけど、暫くは逢えないかな。
[絡められた指が離れていかないようにと絡ませ返す青年の眼差しには、愛しさと切なさの色が浮かんでは消える]
いつになるかわからないけれど、必ず逢いに行くから。
約束――…
[絡めた指をそっと解いて、右の腕輪に連なる指輪を抜く。気をこめて引くと精霊銀の鎖が澄んだ音を立てて千切れた。
オティーリエの手の平に指輪を落し、両の手で包み込む]
夢は、覚めると消えてしまうから。印に。