[森の奥まった場所にある、ひっそりとした場所にも手を合わせる。
買い物をしていた客だろうか、まとまった墓よりは少ないものの、花が幾つか供えてあった]
皆さん、人間だって思っていらっしゃるんじゃないですか。一人であんなに哀しい勘違いして。お礼なんて僕に言われることはありません。
…長生きしますよ。
[聞こえるわけもないだろうし、文句めいた口調の後は、少し笑った。本当は本を買いたかったんですけどなんて小さく言うと、立ち上がる。
村にいる間は、二箇所の墓地へと訪れる。白い雪の上に、大小問わぬいくつもの足跡が*残っていた*]