[今までの、呟くような口ずさみではなく。はっきりと、声を出して歌うのは、歌に込められた想いの深さを理解する以前の事。想いの深さ故の嘆きに耐えられなかったひとを思うと、僅か、苦しさもあって、はっきりと歌うのはできなくなっていたのだけれど。今は、自分の思いや願いもあるから。自然、声は朗としたものになる。この先どうなるにしても、良き廻り逢いがある事を。自分だけでなく、自分が大切と思えた人たち、全てのために祈りつつ。静かに、歌を、紡ぎ出す**]