[その言葉を、兄がどう受け止めたのかは、知る術はなく。それでも、返されたのは]「……わかった」[短い、しかし、はっきりとした肯定の言。数刻、間を置いて。同じ朱の紋様を刻んだ手が、空中でぶつかった]「……皆の面倒、頼むぞ」わかってるって。[俺ももう、ガキじゃないんだから、との言葉に。兄はそうだな、と頷き、そして――]