─中庭・『世界樹の仔』─……あー……ったく。[ため息とともに、ゆら、と揺れるは五本の狐の尾。試験終了から数日が過ぎたものの、未だ、王都の後見人の許を訪れる踏ん切りはつかず、獣耳と尻尾はそのままで。そんな姿では授業に出る気にもなれず──追試合格で単位は足りているのを口実に、『世界樹の仔』の枝の上でサボりを決め込む日々が続いていた]……どーおすっかなぁ。[どうするもこうするも、選択の余地はないのだが。なんとなく、ため息をつく日々が続いていた]