―いつかの話・学院―
[休暇申請の期間より1年が経って。更に一ヶ月が経って。
とうとう約束を破ってでもと養い親の所から杖を持ち出してきた日。
ユリアンが戻ってきたという連絡が届いた]
会わせて下さい。
今。すぐに!
[当然の如く事情聴取の行われている部屋に乗り込んだ時、その背中には見事な白黒翼が広がっていた。
最初に対応に出た導師見習いは呆然と押し切られた。
導師連の一人はそれを見て背筋がゾクリとしたという。
普段は大人しいと知られているのに、それほど凄いご面相だったらしい。
オーラのような何かも背負っていたかもしれない]