[切っ掛けはほんの偶然だった。
たまたま聞いた噂話で、近隣の村で人狼騒動があったらしいということと、それで身寄りをなくした少女がいるらしいということを知って。
噂が本当かどうか確かめようとしてそれが事実だと知り、両親が聖痕を持っていた為に一人残された少女を引き取った。
縁もゆかりもない者が引き取ることは難があったし、当然少女からも警戒された。
けれど結局、身よりもなく他に世話をする者も居ない彼女には行き先もなく、暫くの間だけでも、という条件で少女を自分の屋敷へと連れて帰った。
それが、人狼に関わって、身寄りや行き場を失った子を引き取ることになった、始まりのこと。]